どんな人がなりやすい?

どんな人が腓骨筋腱炎になりやすいのでしょう?


アライメントの問題

腓骨筋腱炎が起こりやすいアライメントとしては、

足のつま先の向いている方向に対して、スネもしくはヒザが外側を向こうとしているアライメントで発症しやすいと言えます。

写真1)両脚のスネが外に回旋した状態
写真1)両脚のスネが外に回旋した状態
写真2)左脚のみスネが外に回旋した状態
写真2)左脚のみスネが外に回旋した状態

写真1)は足のつま先が正面を向いているのに対し、スネが外側に回旋しようとする力が加わっていることで、土踏まずを浮かせて小指側に体重がかかるようになってしまっている状態です。

写真2)は左足のみスネが外側に回旋しようとする力が加わっていることで、左足だけが小指側に荷重しており、この場合左足が腓骨筋腱炎になりやすいアライメントと言えます。


腰の側方への移動をともなうアライメント不良

写真3)腰の位置が中心より右にある姿勢不良
写真3)腰の位置が中心より右にある姿勢不良
写真4)写真3の足部の拡大写真
写真4)写真3の足部の拡大写真

足の形は、足のどの部分に重心が乗っているかによって決まります。 

一般的に

小指側に体重がかかれば親指側が浮くようになり、足の甲が高くなります。

親指側に体重がかかれば小指側が浮くようになり、足のアーチはつぶれ扁平足のようになります。

 

写真3)は腰の位置が体の中心よりも右にズレたようなアライメント不良が起きています。

この場合、足元(写真4)では右足の小指側に体重がかかることとなり、

外側に捻挫するような伸張性のストレスが外くるぶし周囲にかかることで

腓骨筋腱炎を起こす可能性が高くなります。


腰の回旋をともなうアライメント不良

写真5)腰が右方向に回っています。
写真5)腰が右方向に回っています。
写真6)その時の足元はこのようになります。
写真6)その時の足元はこのようになります。

腰が回るような姿勢や、

運動時に回りやすい方向が特定の方向の場合、

足首の関節部では腓骨筋腱に伸張性のストレスがかかります。

写真5)は腰が右方向に回旋している姿勢をしています。

この場合足元は’(写真6)のように右足が外側にめくれるような動きをともないます。

このような足が外側にめくれるような静的・動的アライメントの場合も腓骨筋腱炎を発症やすいと言えます。


甲高足・ハンマートウ

写真7)甲高足のアライメント
写真7)甲高足のアライメント
写真8)甲高ハンマートウの片脚立ち
写真8)甲高ハンマートウの片脚立ち

脚部や腰部のアライメント不良が続き、甲高の状態が続くと、足の形も甲高足(写真7)が固定化してきます。

足裏は常に緊張し、足の甲部分の腱鞘の動きも悪くなり足指を曲げて踏ん張る「ハンマートウ」の状態になりやすい状態となります。

片脚で立とうとすると小指側に体重が流れやすく、片脚で屈伸をすると小指側にぐらつき足指を踏ん張ろうとします。(写真8)


種目特性

小指側に体重が乗りやすい種目、走りながら曲がったり、サイドステップや切り返し動作の多い種目のアスリートに多く発症します。

 

また、ほぼまっすぐ走るマラソン競技などでも、長時間の連続した運動とアライメント不良により、繰り返し同じ動きが繰り返されることで発症する事例も多いようです。


シューズ・インソールの不適合

 

また、靴やインソールの不適合が、腓骨筋腱炎のリスクを高めているケースもあります。

腓骨筋腱炎のリスクを高めてしまう靴やインソールとは

 

1、オーバーサイズの靴を履いている

 

サイズが大きいと靴の中で足が動きやすくなり、

足首関節が横方向にぐらつきが起こり

腓骨筋腱に伸張性のストレスがかかりやすくなります。

また、オーバーサイズの靴はかかとのすり減りを早めます。

それは、足が靴の中で前に滑ってしまい、

実際のかかとの位置と靴のかかとの位置の

距離が離れるためです。

小指側のかかとがすり減ると

足は着地時に小指側に倒れこむようになり

腓骨筋腱炎の発症リスクが高まります。

 

 

 

2、プロネーション対策シューズを履いている。

 

小指側に倒れる回外:スピネーションと呼ぶのに対して

親指側に倒れる動きを回内:プロネーションと呼びます。

人間の足は内側に土踏まずがあり、

足の内側のアーチ形状をクッションにしながら

着地をやわらげる構造になっています。

スポーツでの走動作など片脚での着地の状態は、

土踏まずを潰す動きがでやすく

運動中の土踏まずのアーチ低下が

パフォーマンスの低下に結びつくことが多く見られます。

これを予防するためにシューズの内側を高くしたり、

強い素材を使って内側への土踏まずの倒れこみを

抑える機能を持つシューズがプロネーション対策シューズです。

小指側に倒れこみやすいアライメントの方が

このプロネーション対策シューズを履いてしまうと

腓骨筋腱炎の発症リスクは高くなります。

3、市販のアーチサポートインソールを入れている。

 

左右の足は脚の付け根である股関節につながっていて

骨盤で支えられています。

例えば体重が右側方に移動すれば、

右足は小指側に左足は親指側に倒れます。

また、腰が右方向に回旋すれば

やはり右足は小指側に左足は親指側に倒れます。

この運動の連鎖から言えることは

ヒトの足は必ず対(つい)になっていて、片足のアーチに比べて、

もう片方の足のアーチが高い(もしくは低い)ということを意味します。

つまり市販のアーチサポートインソールは

左右の足のアーチの高さが同じであるため、

片足にはアーチサポートでも

片足には過矯正となってしまうことがあるということです。

アーチが過度に高いインソールは足首関節の外側に

 

負担をかけることで腓骨筋腱炎の発症リスクを高めてしまいます。