後脛骨筋腱炎(内くるぶし後ろの痛み)

後脛骨筋腱炎(内くるぶし後ろの痛み)


後脛骨筋腱炎とは

後脛骨筋は、土踏まずを形成している筋肉の一つで、足裏から内くるぶしをとおりスネの上部まで伸びる長い筋肉です。ランニングの着地などで足首が内側に倒れる動きをくり返す事によってこの筋肉の足首周辺の腱の部分に炎症が発生し痛みを伴います。

 

どんな症状?

後脛骨筋腱炎ではこのような症状がみられます。

・  内くるぶしの後ろの腱に沿って、着地時や体重を掛けたときに痛い 

・  足首を外返しするようにストレッチをかけたり、つま先立ちをするとと痛む

・  押すと痛い、腫れた感じがする

・  足裏やふくらはぎ内側にも張り感がある

 


後脛骨筋腱炎はなぜ起こるのでしょう?


痛み発生のメカニズム

正常な着地時の右足、正常な立ち姿勢時の右足
写真1)正常な着地時の右足、正常な立ち姿勢時の右足

写真2)回内(かいない)親指側に体重がかかった姿勢時の右足
写真2)回内(かいない)親指側に体重がかかった姿勢時の右足


歩行やランニングの着地時に、足首が内側(親指側)に倒れ込みを起こす「回内」(上写真2)を起こす事で、内側くるぶしの後ろを通る後脛骨筋(写真3)の腱が引っ張られることでストレスがかかり、この部分に炎症が起きます。

写真4)開脚スタンス
写真4)開脚スタンス


また、足元を大きく広げてることで安定した基本姿勢をとる種目や(写真4)、反復横跳びのようなステップ時や、ランニング動作のように片脚での支持が多くなることで、足の親指側に体重がかかることが増加すると、後脛骨筋そのもののオーバーユース(使いすぎ)が起こり、十分な運動後のケアなどがされずにいると、筋肉が縮んだ状態が続く過緊張の状態となることで、後脛骨筋の腱が引っ張られ炎症が起きます。

 

土踏まずのアーチの低下・扁平足などで過回内を起こす場合もありますが、甲高足でも着地時に急激な回内が起こる事により発症することもあります。

つまり後脛骨筋腱炎はふくらはぎの内側の後脛骨筋とくるぶし内側につながる後脛骨筋腱への「伸張性のストレス」が原因です。

このストレスは、一歩一歩でのストレスはとても小さいものですが、そのストレスが積み重なることで痛みとなってあらわれてきます。


痛みは突然やってきます。そのわけは?


後脛骨筋の腱への伸張性のストレスがコップの水の一滴一滴だとすると、

 

コップの水が溢れ出た時に痛みを感じます。

 

このような考え方を「閾値」(いき値)や(しきい値)といい、

 

花粉症の症状が突然発症する事を表現する時にもよく使われます。

 

この「閾値」を超えた時に突如として痛みを感じるのです。


腓骨筋腱炎の応急処置・改善と予防

足首の捻挫をともなうケースを除き、後脛骨筋腱炎のほとんどが、

一歩一歩の着地で起きている小さな伸張性のストレスが直接的な原因です。

一歩一歩の着地でのストレスを体に感じることはほとんどなく、ストレスが蓄積していく状況でも痛みはありません。

 

ところが、ある時に突然痛くなり、そのまま慢性的な痛みとして長く続くケースが非常に多いのが特徴です。

 

なぜ、後脛骨筋腱炎の痛みは慢性痛になりやすいのでしょうか?

 

それは、原因となる伸張性のストレスを体が感じにくいため原因が特定しづらく、

また、なってしまった本人も原因がわからないので、改善のしようがないためです。

 

内くるぶしの下や後ろに痛みが続く時は、整形外科を受診して診断をしてもらう事が大事です。

安静にしていれば治る怪我なのでドクターは、痛み止めを処方し安静にする事をすすめる事でしょう。

 

ただ、二度と同じケガをしたくない、

もしくは積極的に治して復帰をしたいと言う方の場合は、

原因の特定が必須となってきます。

 

なぜなら原因が特定できなければ再び痛めてしまう可能性が高いからです。


くるぶし内側の痛みが発生し、後脛骨筋腱炎かな?と思ったら、

まずは応急処置として以下のことを行ってください。

改善・予防方法


応急処置・スポーツ医の受診

捻挫のようにひねったわけでもないのに、

くるぶし内側の痛みが突然発生してから

長期間なかなか痛みが治らない。

 

後脛骨筋腱炎かな?と思ったら、

まずは応急処置としてのアイシングを行い、

何よりも正確に状況を確認するために

できるだけ早くスポーツ整形外科医を受診してください。

 

・アイシング(冷却)

 

・スポーツドクター(スポーツ整形外科医)

 

 

・テーピング「スターアップ」

 


再発予防のために

全く足に負担をかけずに安静にしていれば、ストレスそのものがかからないので

自然と痛みは引いてくるでしょう。

しかし、原因が特定できなければ治るのに時間がかかったり

再発の可能性が高くなります。

 

まずは原因の特定をして

コップに溜まる一滴一滴のストレスを減らすために

姿勢や骨格、身体の使い方の問題やシューズなどを見直しましょう。

 

また、マッサージやストレッチなどのセルフコンデショニングは

ストレスの溜まるコップを大きくする役目があり、

症状が発症するのを遅延させる効果があります。

 


ストレスの原因を確かめる

フットトレーナーズでは、まずアライメントチェックを行い、

痛みの原因を特定していきます。

このことが、競技への早期復帰や

同じ故障を2度と起こさない、再発防止にも役立ち、

さらには自身の問題を知ることで

パフォーマンス向上につながることもあります。

 

1、全身や足のアライメント

  姿勢や骨格から起こっている問題はないか?

  あるとしたら、何が問題で不良姿勢が起きているのか?

2、動的アライメントの問題

  痛みや痛みを誘発する動きは出ていないか?

  何が問題で動的アライメント不良が起きているのか?

3、シューズ

  シューズやインソールが問題で負担がかかっていないか?

4、競技特性や特定の動き

  競技上の運動特性や、ポジションなどの影響

  競技時、運動時の体の使い方に問題がないか?

  あるとしたら、どのような動きで

  改善のために何をすれば良いか?

 

姿勢・骨格・動き・シューズ・インソール

これらの全てを高いレベルでチェックし、

原因の特定し対策ができるのは

フットトレーナーズのもっとも得意とする分野です。


オーダーメイドインソールを作成する

後脛骨筋腱炎の改善や再発の予防をするためには、

足首が内側(親指側)の方向に不安定にならないように、

足の内側に体重がかかるもしくは荷重ポイントが足の内側に移動しやすい、といった

アライメントの弱点を補うインソールを作る事が必要となります。


フットトレーナーズでは

アスリートのオーダーメイドインソールを作り続けて

20年の経験を持つ技術者が

アライメントチェックに基づき

その方の本来持つべき理想の足型を再現して

足型を取りインソールを作成します。

 

インソールはその場で出来上がりますので、

出来上がったインソールをシューズに入れて

テストをすることができます。

テストの結果を見て、

修正を加えたり

必要に応じてパーツなどを追加していき

動的アライメントを向上させるインソールを作成します。


シューズを適正なものに変える

シューズの問題だけで後脛骨筋腱炎になってしまう方もいるくらい、

足首の内外への重心の位置を左右するシューズの役割はとても重要です。

 

ただでさえ問題が起こりやすいアライメントの場合、

間違ったシューズ選びはその問題を助長してしまい。

足首内側にかかる伸張性のストレスはより強いものになります。

 

フットトレーナーズでは、

スポーツシューフィッター制度の

ファウンダーでもある技術者が

アライメントチェックに基づいた

適正なシューズ選びをアドバイスします。

シューズのご購入に当たっては

安心してシューズ選びを任せられる

提携ショップをご案内しております。

 

下の動画は、片脚スクワットの画像ですが、

裸足の状態と、自分のこれまで履いていた靴、

インソール作成後に適正なシューズを履いた状態の比較画像です。


アライメント改善指導を受ける

フットトレーナーズではインソール作成の方に限り

後脛骨筋腱炎の方の症状の積極的改善に向けた

各種指導とトリートメントを行っております。

 

アライメントトレーニング指導

1、セルフケア方法の指導

2、問題の原因となる動きの確認

3、正しい身体の使い方の指導

4、各種フォーム指導

IASTMトリートメント

5、問題箇所の改善に向けた施術トリートメントを行っています。