モートン病、と聞くと足の病気で深刻そうに聞こえます。
またの名を「モートン神経腫」とも呼びます。
モートン病によくなる場所は、足指の第3趾4趾間の指の付け根のあたりに神経腫という塊のようなものができて指先に放散痛や痺れが起こります。
好発部位は3、4趾間ですが、足の付け根の指の間ならどこにできてもおかしくはありません。
そもそも、歩行時などに足指が使えない人によく起こる症状で、足の指が握ったように曲がったままになってしまう「ハンマートウ」の罹患者によく起こります。
歩行時やランニング時に足指の接地がないと、足の付け根部分を足指の代わりに使ってしまいます。
すると、蹴り出す動きなどをする時に指の先端が地面をしっかりと支えて蹴り出すはずが、指の付け根でその動きを代償してしまうことになってしまいます。
もともと指の間には神経が通っていますが、機械的に刺激が入ることで、圧迫される箇所を守ろうとして神経が肥大化して神経腫となって踏みつけるたびに痛みや痺れが出てしまうのです。
モートン病を発症したクライアントさんには、神経腫の部分が当たらないように穴の空いたインソールを作ってあげることで、応急的なインソールを作ることができますが、そもそもの原因が指の不使用から来るものなので、指を使えるようにするには、オーダーメイドインソール を入れてあげることで、予防ができます。
そもそもハンマートウになりやすい甲高足や、浮き指になりやすい扁平足など土踏まずのアーチに関連している問題であるということが言えると思います。
扁平足の方はアーチが落ち込んだり、かかとの骨が斜めに倒れてしまうことで、足が回内を起こし土踏まずの支えが乏しくなり浮き指になってきます。
ハンマートウや甲高足の方は、アーチが高い分、落ち込むスペースがたくさんあることから土踏まずをたくさん使ってしまうので、アーチの変化が激しいと同時に、足の甲からスネにかけての柔軟性が乏しく、足首の背屈に制限がかかったり、アーチが高いことで、かかとと前足部に体重の圧力が集中してしまうことも痛みや症状をを憎悪させる原因となっているのです。
オーダーメイドインソールはかかとの骨をまっすぐにすることで、かかとの低下を防ぎ、浮き指を減らす効果があり、さらにハイアーチ(甲高足)の足のアーチの形状の変化を少なくすることができます。このことは、足指に接地感をもたらし、足指が接地することで感覚受容器(メカノレセプター)が働き、指で足を支える能力が上がることが考えられます。
ハンマートウの強いクライアントにはモートン病対策として、足指を刺激するようにほんの少し「踏みしろ」を付けてあげることでメカノレセプターを刺激し、指が接地するようにインソールを処方することもあります。
モートン病になる前には前兆があり、足の指が浮いてきていて、足の付け根の部分の皮膚の色が赤くなってきたり、軽くしこりのようなものを感じるようになったら要注意です。