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つま先立ちで若返る

「つま先立ちで若返る」という本を出しています。

うんこ漢字ドリルの文響社から定価1,280円+税です。電子書籍でも販売していますので、是非お手元に2冊くらい持っておくと良いですよ!

内容は、タイトルの言葉だけをとらえると、んなバカなと思われるかもしれません。

副題に「重力を味方につける正しい姿勢の作り方」とある通り、

この本の狙いは、人間の立つときの重心の位置。つまり姿勢に関することを伝えたかったのです。

そして、姿勢が見ため年齢にものすごく影響してますよ!という話です。

つま先立ちメソッドをそもそも思いついたのは、足首のタイトネスについて考えた時です。

当時、ナショナルチームの幅跳びの選手のインソールを作成していました。

その時のトレーナー曰く、幅跳びや跳躍の選手は足首が緩いと、踏み切り時に力発揮をできないので、足首はあえて柔らかくしない、それが足首のタイトネスだ!、、という話を聞きました。どうもそのことが腑に落ちなかった私は、それから、幅跳び選手の足首のタイトネスについて考えたのですが、行き着いた答えは、足首のタイトネスは必要。でも柔軟性がある足首は走動作や空中姿勢でも必要。では、最初から硬い足ではないタイトネスはどこから生まれてくるのか?

そう考えた時に、他の関節をよく考えてみると、重力や遠心力などの外力などが加わり、その力に抵抗する力が筋力として発揮され釣り合いが取れた時に、力の軸が出來て硬さがを作ることができていることに気づきました。

例えば幅跳びでは、踏み切り板に体重がかかる力と、それを押し返そうとする足の筋力のバランスが取れた時に初めて足首の関節を固めることができるはずです。つまり、踏み切りに対しての入力が足に集中しなければ足首を固まることはできない。ということになります。

そのことを姿勢に当てはめてみると、良い姿勢は、耳と肩と股関節とくるぶしが一直線なんてことが書いてあるのですが、誰が決めた?と疑問に思いました。

その姿勢は客観的に見て、たまたま良い姿勢の指標であり、もっと内面的に出せる良い姿勢があるのではと考えたからです。

なぜなら、私が見ているスポーツの世界では、どの競技をとっても、ベストなフォームは唯一無二なもので、スポーツ選手が正常にフルに力発揮をしている姿というのは姿勢の悪さを感じることはないからです。

逆にどんなスポーツでも初心者は姿勢が悪かったりします。それは、静的な姿勢での勘違いや、動的な姿勢でエラーポジションに乗ってしまっている時です。

つまり乗ってはいけないポジションに乗ってしまうので、バランスをとるために姿勢が崩れる訳です。

 

そこで、「つま先立ち、、」に戻ります。

つま先立ちでスクワットをすると、乗ってはいけないエラーポジションに乗ることができません。

普段20数センチある足裏の前後のどこにでも乗れた重心が、つま先の3〜4cmに集中するのでエラーポジションに乗りようがありません。

そこで、スクワット姿勢からつま先でしっかりと自重を持ち上げながら伸展していきます。すると体は、股関節、膝関節、足関節(この場合はつま先ダチなのでMP関節になりますね)の3つが自重(自分の体重が重力によって地球の中心に引っ張られる重さ)にゆっくり抵抗しながら自然に軸の取れたポジションを作ってくれます。

バレエダンサーのポワントはさらにこの重心位置が狭くなった状態です。よくバレエの先生は頭を糸で引っ張られた様に、と言いますが、実は糸が引っ張っているのではなく、体の内部の重力に逆らう力が最大限にでだしきった状態がバレエダンサーの良い姿勢につながっていると思います。

ピラティスやバレエを習ったことがある人は、一つ一つの椎体を自在に動かして椎体の間隔を引き伸ばすことができます。肩から頭にかけての姿勢の良い人や首のスラッと長い人は、頭の重さを正しい位置で重力で下に引き寄せられる頭を押し返せる人です。

このつま先立ちスクワットの立ち上がりの途中でどこを切り取っても、綺麗なアスレティックポジションと呼ばれるスポーツの基本姿勢が見られます。

バスケットのハーキー、テニスのスプリットステップなど、瞬時にどこにでも動ける準備の姿勢や、スキーの基本ポジションなどはすべて同じです。

そしてつま先立ちスクワットからの立ち姿勢は正しい姿勢を、重力に抵抗する力で内側から作り出す姿勢なのです。

注:つま先立ちで立ったらそのまま重心をつま先に残したままかかとをそっとつけます。つま先立ちのままでいいのはハイヒールを履いた時の姿勢です。

先日(ハイ)ヒールウォーキングの先生が来た時にも、この方法をお教えしました。当たり前かもしれませんが、モデルさんのヒールウォーキングには特に決まったメソッドは無いそうです。